割れ窓の理論とは
1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまうという理論です。
街全体が荒廃してしまうのは凶悪犯罪が原因ではなく、軽微な犯罪を放置していることが原因のため、軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるという理論です。
実際に、アメリカ、ニューヨーク市において、落書き、未成年者の喫煙、万引き、違法駐車など軽犯罪の徹底的な取り締まりや、歩行者の交通違反、飲酒運転の厳罰化などの軽微な犯罪の取締りを強化した結果、大きな犯罪が大幅に減少する出来事がありました。
なぜそのようなことが起こるのか?
いきなり重大犯罪が多発することはないため、街が、荒れていく順番を考えることが重要です。 1.割られた窓が放置される 2.罪悪感が薄れる 3.他の窓も割られる 4.軽犯罪の温床になる 5.重大犯罪が起こる
窓が割れてるのを「放置」することでモラルが低下し、「放置」に対して、周りの人が声を上げない、上げられない雰囲気のため、どんどんモラルが低下、結果として重大犯罪につながります。これに対処するには、重大犯罪の解決に追われているだけではダメで、一見無害であったり、軽微な秩序違反行為でも取り締まる。地域社会は警察職員に協力し、秩序の維持に努力することが重要となります。
つまり、重大犯罪よりもコンプライアンスや組織風土の問題となります。
組織の割れ窓は見えません
企業や組織において、目で見えるような割れ窓は見えません。
1件の重大事故の裏には、29件の軽微な事故、その裏には300件のヒヤリハットがあるという品質問題におけるハインリッヒの法則のように、
1件の重大なコンプライアンスの問題が起こる裏には、29件の軽微なコンプライアンス問題、300件のモラル低下を引き起こす問題、それを見逃す雰囲気があると考え、組織風土を正していく必要があります。
リモートワークが広まった現代では、軽微なコンプライアンスの問題が発生しやすいです。リモートワークではアウトプットがすべてという考え方もありますが、小さな報告でもできているかチェックしたり、担当レベルの声をヒアリングすることで、秩序を守った上でアウトプットが出ているか確認することも重要となります。
組織運営では、軽微なモラル低下を正して重大問題を減らしましょう!!
あとがき
割れ窓の法則を読んだときに感じたことを記載させていたいただきました。
ニューヨークの犯罪対策の話ではありますが、
製品や、組織運営を行う上で、ハインリッヒの法則のように、重大事故の裏には、
その300倍のヒヤリ・ハットな事象が起こっているということです。
つまり、日々、重大問題の対策負われて、忙しい思いをしている人は、
重大問題のつぶし込みだけではなく、
軽微な問題に対しても、対策を打つべきだということです。
重大問題を対応すれば何とかなるというのではなく、
軽微な問題を無視する風土の乱れが、重大問題を引き起こすと考えて、
組織風土を改善することが重要となります。
割れ窓の法則、ハインリッヒの法則を理解し、軽微な問題を無視せずに、組織風土を改善して行きましょう!
コメント